ツンデレ的天然ちゃん かける バイト仲間の年上王子っ!
静かな車内。
それでもあたしの心臓は不安と期待でうるさく高鳴っていた。
窓に流れる外の景色は、街から街へ。
灰色をしたのっぽなビルがあたしたちを見下ろした。
「何か欲しい物でもあるの?」
運転をする成巳先輩。
そのすんなりとした口調からは成巳先輩の感情なんて1つも見つけ出す事ができなくて。
あたしの心臓が悲痛の叫びを挙げた。
「…いえ……ただ薫と喋りたくて…。」
ねぇ、気付いてください。
「そう…」
寂しそうな声なんて出さないでください。
あたし、やっぱダメだな…
ごめんなさい。
成巳先輩。
あたし、期待してもいいですか?
まだ、あなたを好きでもいいですか?