運命のレール
どうにか3日間が過ぎた。
奈々はすでにボロボロ。
歩き続けてる上に、何も口にしていない。
3日間だけだと言うのに痩せこけてしまった。



私は夢を見ていた。
真っ白な雪の降る街に奈々は居た。…?今は夏なのに。そんな事を思いながらボーっとしていると、お母さんとお父さんが私に向かって歩いてくる。手を繋いでいた。何故、お父さんだと思ったのかは分からないが。



『奈々ー、帰りましょ』
と、お母さん。
『ほら立って!』
と、お父さん。
はじめまして、と言いたかったが声が出ない。




夢はそこで途切れた。



『………!』




あいつらがなぜか目の前に居た。
起き上がると、いきなり叔母に平手打ちを何度もされた。


ヒステリックの叔母は狂っていた。
発狂しながら私を叩いた。


『やめなさい』



叔父がやっと止めてくれたと安心していた瞬間、



(バッチーーーン!)



と大きな音が聞こえた。
と同時に顔から血が流れた。
叔父さんもか…と思いながら顔に手をやった。



至る所から血が出ていた。憎しみの篭った生温い血…リスカの時の血とは程遠い、まったく反対の意味を持つ血。




私は血だらけのまま、地元の先輩のところへ逃げた。
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