運命のレール

救い

もう誰も私を救えない…
だからなのか周りの人間はみな私を避けた。





自分でもどうすることも出来なくて、1人、当てもなく夜道を歩き続けた。


もちろんシャブを体に入れて。
いっそ、お巡りに捕まれば…そんな事を思いながら、ふらふらしていると遠くから声が聞こえてきた。





(幻聴かな…)
そんな風に思っていると、確かに誰かが私を呼んでいた。






『…な…なか?』




地元の先輩だった。
名前は龍大。24歳。
6つ上だが知り合いだ。





声をかけてくれた人が久しぶりだから、とても嬉しくて思わず大泣きをしてしまった。







『奈々、お前、誰に勧められた?』




龍大はすぐにシャブのせいだと気付き心配してくれた。




龍大は勧めた先輩の所に行き、怒鳴ってくれた。
もう絶対奈々に回すなと。





龍大は他の人と違った。
ちゃんと奈々のことを怒ってくれた。
奈々の現状を直視してくれた。
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