運命のレール
12月31日


今日は大晦日。
私には関係なかったが。


いつものように母に会いに来た。

しかし様子がおかしい。
個室に移動していた。

母は4人部屋だったのだがなぜか個室に居た。
しかも叔父と叔母が来ていた。



『めぐちゃん、ちょっと』


私に気付いた叔母が話し掛けてきた。



『ママ、もう危ないの。
今日が山かもしれない。』


『そっか』



私は意外にも、動揺しなかった。
人はいつか死ぬ。
お母さんはその日を今日迎えるだけ。
そんな感じだった。



夜、運命の日を迎えた。

モルヒネを打たれている母は、痛みを感じずにむしろ、微笑んでいるように見えた。



20時47分



母は永遠の眠りについた


この瞬間から私は1人になった。そう、心から。



涙を流す事はなかった
今日も明日も明後日も…

この日から私は感情を無くしてしまった。



運命のレールを走り始めた
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