運命のレール
私は中学を卒業し、私立高校に入学した。
入れさせられた、と言うべきかな。
いわゆる、裏金。


叔父叔母は金持ちだったから。
今でも金持ちは好きじゃないが、人は金を持つようになると余裕が出てくる。
何でも金で解決したがる。マジでうざかった。




無理矢理入った学校は楽しいはずもなく、淡々と過ぎていく。
行事は全て休んだ。
友達が居なかったから。
というか作らなかった。



面倒臭い。
女子高だったので女しかいないが、女子高の女は厄介だ。
何かあればすぐ泣き、何かあればすぐ笑い、何かあればすぐ怒る。
喜怒哀楽が激しく、とてもじゃないがついていけない。ましてや、みんな1人で行動しない。
グループ…
固まりで1人と言った方が合っている。


今まで、そしてこれからも1人の奈々にはグループなんて考えられない。
みんな弱すぎる。



いや、弱いのは奈々。
グループになって、嫌われて1人になるのが嫌だから、また自分から1人になっていった。




『弱虫…!』




トイレでもカッターを持って切り付けていた。




『お母さん…何で死んじゃうの…奈々、1人にしちゃ嫌…いやだよ…』



泣いていた。
久しぶりの涙。
なんだか嬉しかった。
人間になれた気がして。





―――奈々は頑張るよ
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