WITH...ME
1 vs 20
同時刻――場所は変わって、ここは学習機関。
全国的にも有名な、学園都市だ。
その中にある、紅葉賀[モミジノガ]学園の、屋上――彼、柏木 葵[カシワギ アオイ]は寝転んでいた。
「く……くそ…………」
広い広い屋上の中心部に、葵は大の字になって空を仰いでいる。だが、その顔には痛々しい擦り傷や、切り傷あり、呼吸も不揃いなリズムで刻まれており、肩で息をしていた。
「ぶぇ……冗談じゃねえ。マジで殺されるかと思った……」
今から数十分前のことである。葵がいつものように屋上で昼食をとっていると、いきなり背後で屋上のドアがふっ飛んだ。
何事か、と後ろを振り返ると……
「20対1はねぇよ……」
20人の生徒がずらりと並んで居たという。
そうしていきなりバトルスタート。相手はバッドやら竹刀やらを武器に使い、しかも全員で掛かって来たのでそれはもう、凄かったとのこと。
「集団リンチだ……これじゃあ。くそ……訴えてやる……」
ぶつぶつと寝転びながら不満を口にし、葵は起き上がろうとした。
と、その時。
「訴えたら確実に負けると思うよー」
ふと、後ろから幼い声がした。
「小女だな……」
「へへーあったりー」
女子生徒用の学生服を来た小柄な少女が葵の隣まで歩んできた。
彼女は、賢木 小女[サカキ オトメ]葵のクラスメートだ。