君を忘れない

「何よ。別に彼女なんだからいいじゃない。
てゆーか
誰だと思ったの?隣のオバチャン?
それとも遥子って女?
ずっと呼んでたわよ、アンタ。
「遥子、遥子。行かないでぇ~!」って。」


・・・遥子?

一瞬、聞いたことのない名前が
脳に飛び込んできた。

「はる、こ?誰だよそれ。」

「は?知らないわよ。
アンタが呼んでた人なんだから
アンタが知ってる人じゃないの?」

キョトンとした僕の顔に
律夏は釘を刺すように言った。

「どうでもいいけど
あんまもたもたしてると
遅刻するわよ?」

切りのつかなさそうな話だと思った律夏は
話にピリオドを打ち
時計を指差した。
< 17 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop