君を忘れない
「だれ?」

僕の姿がわからないようで
彼女はあたりをきょろきょろした。


「あのっ!すいません。」

僕から離れそうな女の子を
大声で呼びとめた。


こんなに声を張り上げたのは
久しぶりだな。



「もっとこっち来て。
顔が見えないと寂しいの。」


彼女は僕を見ると
「ここへ来て」と手招きをした。


近くへ寄ると

彼女は10代半ばほどの女の子みたいだ。
ぱっちりした子犬のような垂れた目と
ぷっくりとした厚い唇が非常に愛らしく
魅力的だった。

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