希望の光
「ただいま。」

「お帰り。」


たった一言だけ言葉を交わして、すぐに自分の部屋に入った。

右手には携帯。
村上君に連絡してみようか、迷っていた。

通話ボタンを押しては切っての繰り返し。
結局、私からかけるのは断念した。


――…♪~♪…


「村上君だ…。」


さっき電話をしようと思っていた相手から電話がかかって来て、少しだけ戸惑った。

震える指先で通話ボタンを押し、携帯を耳に当てた。


「もしもし…」

「遥花?俺やけど、分かる?」

「うん。分かるよ。」

「よかった。誰?とか言われたらどうしようかと思った。」


受話器越しに村上君の笑い声が聞こえる。
つられて私も笑った。


「一つだけ質問してもいい?」

「ええけど…どうしたん?」

「村上君と輝君は何か関係があるの?今日、様子が変だったから…。」


私が聞きたかった質問をすると、村上君は黙ってしまった。
聞かない方がよかったのかな…。


「…明日の昼、あの公園行かん?」

「いいけど…。」

「そこで話すから。」

「うん。分かった。」


明日、あの公園に行くと言う約束をしてその日は電話を切った。

気になって仕方がない。
早く明日にならないかな。
< 14 / 15 >

この作品をシェア

pagetop