希望の光
その人は、ギターを持って小さな声で歌っていた。

綺麗な声…。
私は、吸い込まれるように聞き入ってしまった。


「聞いてくれてありがとう。」

「えっ?あ…はい…」

「珍しいな。この時間帯はあんまり人来やんのに。」

「……。」

「…俺の歌、どうやった?」

「…凄くよかったです。」

「ありがとう。まだ誰にも聞いてもらった事なかってん。君が一番や!」

「そうなんですか…。」

「名前、何て言うん?」

「桜木 遥花です。」

「遥花ちゃんか。ええ名前やな。俺は山本 輝。好きなように呼んでな。」


“山本 輝”と名乗った彼は、茶髪で身長が高く、何より関西弁が一番印象的だった。

自己紹介から始まって、趣味、特技、と話が弾んだ。
人と話すのが苦手な私でも普通に話せてる。

今日一日限りでも、話せる相手が出来たんだと思うと嬉しくて仕方がなかった。
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