希望の光

屋上の彼

また同じ一日が始まる。
地獄の一日が…。


―ガラッ


「あれー?また来たの?」

「よく来れるよね。」

「皆迷惑してるんだけど。」


やっぱり今日も同じ。

慣れた、なんて言うと嘘になるけど…期待はしなくなった。
“教室に入ったらイジメがなくなってるかもしれない”なんて、有り得ない話。
今の私がいる限り、何も変わらない。


「あんたの机、綺麗になったと思わない?」


机には沢山の落書きがされてあった。
教科書もボロボロ…。


「…っ…」


やっぱり昨日と同じで、私は逃げ出した。
皆の言葉を聞いていられる程の余裕はなくて、溢れる涙を必死に拭った。


―――……


私の居場所は屋上だけ。
一番落ち着ける場所。

屋上に一つだけ置いてあるベンチに座って、空を見上げてみた。

今日の天気は晴れ。
いっそのこと、雨で私を隠して欲しかった。
泣いてる事も分からないのに…。
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