氷の上のプリンセス
「結城せんぱーい!!」
ご機嫌な声とは裏腹に、私はさっきの視線をそらされたことで気まずいため、連れて行かれながら焦っていた。
先輩、私のこと避けているし、あんなに冷たい表情で見ていたし…。
嫌われてるのかも……。
出会った当初はあんなに笑顔を見せてくれたのに。
男の子にからまれたりして、うまく逃げられずにいた私がだらしないと思ったのかな…。
それとも、知らない内に何か先輩に嫌なこと言ってしまったとか……。
頭の中で、グルグル考えてもやっぱり本人に聞かなきゃ分かんない。
でも、本人に聞く勇気なんてないよ…。
臆病者だな、私……。
「いたいた!!
結城先輩、また女の子に囲まれてるんだから。」
真君の言葉で我にかえると、目の前には女の子に囲まれた結城先輩が、不機嫌な顔で真君を見ていた。
やっぱり、人気あるもんね。
モヤモヤする嫉妬心を抑えようと頑張る。
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