氷の上のプリンセス
「あんたたちが目の前でイチャつくから、結城君出て行っちゃったじゃない!!」

髪の長い少しパーマにとってがかった女人は、ちょっとキツい印象を受ける綺麗な人だから、私たちを叱るその顔は迫力があった。


イチャついてなんかない…。


きっと、結城先輩もそう思って気分悪くしたんだ……。


なんか、いっつも変なとこばっかり見られて最悪…。


泣きたくなってくる。


落ち込んでしまったわたしの思考は、目頭をどんどん熱くさせていった。


「有坂さん。
あなた、何しにこの部に入ったの!?」


名前もまだ覚えていないため、怒っている女の先輩がスケーターだとしか分からない。


綺麗な先輩のあとに続いて、結城先輩取り巻きの皆さん方が同じように騒ぎ出した。


その言葉たちが余計に私を沈ませていった。



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