氷の上のプリンセス

きなこが心配してくれたその日は、やっぱり続いた寝不足がたたってだいぶ気持ちが悪かった。


「ねぇ…、実莉大丈夫?
朝よりだいぶつらそうだよ。
保健室行くか、今日は帰りなよ。」


2時限休みになって、きなこが私の席に駆け寄ってきてくれた。


『うん…、私も限界かも……。
とりあえず、保健室行ってくるわ……。』


「大丈夫?付いて行こうか?」


『ううん。大丈夫だよ!
ごめん、先生に休むって言っておいてくれる?』


「それはいいけど、本当に一人で大丈夫!?」


『平気、平気!
ちょっと寝てくるだけだから大丈夫だって!』


「わかった、でもダメそうならすぐケータイに連絡してね!」


『うん!ごめんね!』


そう言って、私は教室を後にした――………




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