氷の上のプリンセス

他のクラスから、楽しそうなざわめきが聞こえる。


本来、教室ってこんなもんなんだろうな。


私たちのクラスは、きなこと私以外は休み時間に騒ぐことなんてしない。


勉強をしてるか、本を読んでいるか。


余計なこと考えてたら、頭痛くなってきた…。


片手で軽く頭を抑えながら階段を降りようとした時だった。

ドンッ!!!


えっ!?


具合が悪かったせいもあって、背後の気配なんて全く気づかなかった。


ぐらりと揺れた視界は、階段の下まで落ちるまで、定まることはなかった。


『いったぁー…。』

階段の上に目をやると、少しオレンジがかったセミロングの後ろ姿が去って行くのが見えた。


誰!?


でも、どっかで見たことあるような……。


私は、そのまま意識を失ってしまった……。
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