氷の上のプリンセス
きなこには、
私が階段で、誰かに突き飛ばされたかもしれないってことは隠そうと思ったんだけど、隠す前に
「誰かにやられたんでしょう」
と、ズバリなことを言われ、ばれてしまった。
動物並みの感の鋭さ。
もしくはエスパー!?
先輩にも、そのことを言ったってことは、きなこは知ってる。
だから、ひつこく聞いてくるのか。
「まぁ、結城先輩と実莉ならわからなくもないけど。」
『何?どういうこと?』
「また、この子は鈍感なんだから…。
つまり〜、美男美女でお似合いってこと!
今、ウチの学校のトップニュースなんだから。」
『………へっ!!
美男はわかるけど、美女って誰!?』
はぁ〜、とため息をもらすきなこ。
「まったく、自覚ないんだから、この子は……。
今、ちまたの男子が泣きまくってるって言うのに…。
っていうかそれよりもっ!!
私に内緒で、付き合ちゃってたりなんかしてんの?」
はぁ〜!!!!?
『付き合ってなんかないよっ!!!
私なんかが、結城先輩と付き合えるわけないじゃん……。』
なんか、自分で言うとへこんでくる…。
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