氷の上のプリンセス

部活を休み始めて3週目だけど、きなことこんなにゆっくり話ができたのは、新鮮だったし、楽しかった。


でも、やっぱり私からフィギュアスケートは必須のカテゴリーだと気づく。


それは、夕食まで、きなこと長話して遅くなっても、何か物足りない気がして知らぬ間に向かってしまったから。


昔から私は、スケートリンクがパワースポットだった。


一種のスピリチュアルスポットみたいな、嬉しい時も悲しい時も行きたい場所。

今日は、もちろん前者の方。


私ってスケートバカかもしんない。


他人からしたら、絶対理解しがたい感覚だと思う。


腕時計を見ると短い針が9の真上に乗ろうとしている。


この時間だったら、部活はもう終わってるだろう。


鍵開けて、ちょっとだけ氷を感じさせてもらおうっと。


この時間なら、誰もいなさそうだし、変に見られずにすみそう。


誰かいたら、不審者みたいでやだもんね。


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