氷の上のプリンセス
入り口付近で上を見上げると、窓から光が漏れていて、リンクの電気が消えてないことに気づく。
なんだぁ…、誰かいるんだ。
あっ、でもこんな時間まで練習してるなんて…。
もしかしたら……。
少し期待をこめて中に入る。
入り口のドアは、2段上がったところにあって、松葉杖の私にはちょっと面倒だった。
雨が降りそうな天気で、風が少し強くなってきている。
そのせいで、この重たいドアを開けても風でバタンと閉まってしまった。
何回かで入ることはできたけど、腕はプルプルして痛いし、しばらく風に煽られた髪はぐしゃぐしゃ。
はぁ〜、なんか一気に疲れたかも。
手櫛でなんとか、髪を整えながら奥へと進む。
すると、前から見覚えのあるシルエットがこっちに向かってきた。
やっぱりそうだ!!
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