氷の上のプリンセス
最悪だ…。
先輩に迷惑かけすぎだよ。
「お前が心配することじゃないよ。大した用事でもないし。
それより…、
手が切れたのはこれのせいだ。」
そう言って、先輩は部屋の真ん中に置いてある茶色いテーブルの上に手を持っていく。
手にしたのは、3〜4枚のカッターの刃。
『カッターの刃?』
「誰かが故意に入れたとしか考えられない。
入れたのは、この間の奴…か。」
『わかりません…。でも、いつの間に…。』
「あれから、何か他に変な嫌がらせされてないか?」
『は、はい。多分…。』
ないと思う。
「いったい、誰なんだ…。
それはそうと…。
お前、寝てる間うなされてたぞ。
………『お姉ちゃん』って言いながら。
……当時のこと思い出したんだな。」
『……はい。』
「言いたくなければ言わなくて良い。
ただ……、お前の力になりたい。」
私を真っ直ぐ見つめた先輩は、真剣な顔だけど、少し切ない表情をしていた。
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