氷の上のプリンセス
きっと、お姉ちゃんのことはニュースにもなったから先輩は知ってると思う。
私が思い出すことで、嫌な思いをしないか気をつかいながら話してくれている。
『私……、血を見ちゃうと駄目なんです。』
少し震えてきた。
先輩に気づかれないように、両手を掴むようにして組む。
『私、あの事故の後PTSD(心的外傷後ストレス障害)で治療してたんです。
トラウマみたいなやつなんですけど…。今はだいぶ良くなってきて、年に何回かしか病院に行きませんが。
昨日は、雨も降ってたのもあって…。
それに、血が…。』
言いかけて、一息深呼吸する。
『私、あの時何もできなかったんです。
なんで、私じゃなくてお姉ちゃんが…。』
半分涙目になっていた。
その時、私の体が突然温もりに包まれた。
そして、私の大好きな優しい低音の声が耳元で聞こえた。
「実莉……。
つらいこと話させてすまなかった。
こんなに震えてるのに…。」
先輩の腕に力が入って、ぎゅっとキツくなる。
でも、全然苦しくなくて……。
先輩の腕の中は、ドキドキするけど、すごく安心できた。
.
私が思い出すことで、嫌な思いをしないか気をつかいながら話してくれている。
『私……、血を見ちゃうと駄目なんです。』
少し震えてきた。
先輩に気づかれないように、両手を掴むようにして組む。
『私、あの事故の後PTSD(心的外傷後ストレス障害)で治療してたんです。
トラウマみたいなやつなんですけど…。今はだいぶ良くなってきて、年に何回かしか病院に行きませんが。
昨日は、雨も降ってたのもあって…。
それに、血が…。』
言いかけて、一息深呼吸する。
『私、あの時何もできなかったんです。
なんで、私じゃなくてお姉ちゃんが…。』
半分涙目になっていた。
その時、私の体が突然温もりに包まれた。
そして、私の大好きな優しい低音の声が耳元で聞こえた。
「実莉……。
つらいこと話させてすまなかった。
こんなに震えてるのに…。」
先輩の腕に力が入って、ぎゅっとキツくなる。
でも、全然苦しくなくて……。
先輩の腕の中は、ドキドキするけど、すごく安心できた。
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