氷の上のプリンセス

――「カナダからよ。
アレックスってある。」


――『アレックスから?何だろう?』


――「実莉の誕生日プレゼントじゃないかしらお父さんにまだ見せてないから、早くそっちに送っちゃった方がいいと思うけど。
見つかったら、またうるさいわよ。」


明日の日曜日は、私の誕生日…。


壁に掛けてあるカレンダーを見ながら、自分の誕生日に赤丸がついているのを確認する。


お父さん、アレックスのこと目の敵にしてるからなぁ。


別に、ただの友達なのに。


――『わかった。
じゃあ、こっちに送って。』


――「ええ、すぐに送るわ。
でも、誕生日なのに実莉に会えないのは寂しいわ。
やっぱり、お父さんとそっち行こうかしら。」


――『いいよ、来なくて!たまには、友達と誕生日過ごしたいもん。』


――「友達とか行って、本当は彼氏となんじゃないの?
お母さん、ドキドキしちゃう♪」


――『なっ!!!何言ってるの!!!
彼氏なんていないもん!!
へっ、変なこと言わないでよっ!!!』


お母さんってば。


変なこと言うから、今、せっかく落ち着いてきたのに、また顔赤くなっちゃったじゃんっ!!





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