氷の上のプリンセス
止まらない感情
――直人side――
あいつが怪我をしてから、何回か昼休みに顔を出すようにしている。
心配なのもある。
でも、それ以上に、実莉にただ会いたい気持ちが抑えられないからかもしれない。
この間は、マジでびびった。
授業さぼって、保健室に行こうとしたら、階段の方から音がして行ってみたら実莉が倒れていた。
あの場にいたのは、本当に偶然だった。
一瞬走り去る女の姿を見たけれど、そんなの構っていられない。
何度呼びかけても、起きないから急いで実莉を抱きかかえ保健室に向かった。
大事にいたらなくて本当に良かった。
それにしても、軽い。
ちゃんと飯食ってんのか?
寝ている実莉を見て、誰にも見せたくないと思った。
自分にこんな独占欲があるなんて、自分でも知らなかった。
もっと実莉のことを知りたいと、力になりたいと思った。
突き落とした犯人は、いったいこいつに何の恨みがあるんだろうか。
そんなことを考えながら、パーツの整った可愛らしい寝顔を見ていた。
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