氷の上のプリンセス

携帯の着信音で起きた時には、朝だった。


なんだかんだで一晩、過ごしちまった。


実莉の部屋は、カラフルとは程遠い、木質のものが多い落ち着いた感じだった。


多分、無印良品とか好きなんだろうな。


――「…はい。」


――「あっ、はよっ♪俺俺。
寝てた?」


携帯に出ると、朝からテンションの高いショウの声が聞こえる。


――「なんだよ…朝っぱらから…。」


――「なんだよって、忘れたのかよ!
今日、俺の後輩たちと朝からバーベキューするって言ってただろぉ!」


あっ…。
たしか、前にそんなこと言ってたような…。


ショウは、見かけ通りアウトドアが大好きで、外で遊ぶのが相当好きらしい。


今日も、俺が休みだからって、わざわざ日にち合わせてバーベキューの予定を半ば強制的に入れられた。


とは言っても、バーベキューとは名ばかりで、ショウの後輩というのはきっと女ばかりであって、アウトドア版の合コンに違いない。


本人からはちゃんと聞いてないが、今までの経験上予測できる。


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