氷の上のプリンセス
唇を離し、狂った頭を冷静に慣らすため、もう一度抱きしめる。
「お前………、かわい過ぎだから。」
愛おしくてたまらない。
このまま、押し倒してめちゃくちゃにしてやりたい衝動に襲われる。
でも、反対に大事にしたい。
完全にイカレてる。
不意になった実莉の携帯。
盗み聞きするつもりはないけれど、彼女の口から“アレックス”という名前が出てきたことに動揺する。
“アレックス”っつうぐらいだから、男だよな?
誰だよソイツ。
しかも、誕生日すぐじゃねえかよ。
“アレックス”について聞く俺は、かなりダサかった。
柄じゃねぇのに…。
俺は、もう一度冷静になるため、学食へと向かった。