氷の上のプリンセス

『おかえりなさい!』


「……クスっ、ただいま。」


言ってから気づく。

おかえりなさいなんて言ったら、なんか同棲してるみたいじゃんっ!!


恥ずかしい!!


先輩笑ってるし。


「これ、食堂の人に作ってもらった。
なるべく食べろよ。」


中に入って先輩は、白いビニール袋に入ったおにぎりをくれた。


『あっ、すみません!
ありがとうございます。後で食べますね。』


二人で部屋の中心のローテーブルを挟み座る。


「さっきより片付いてないか?お前寝てなかっただろ?」


あっ…、バレちゃった。


『寝ましたよ……、少しは…。』


デクレッシェンドのように、だんだん言葉が小さくなった。


「まぁ、顔色も良さそうだしいいか。
無理するなよ。」


『もう、全然大丈夫ですから。ハハハ…。』


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