氷の上のプリンセス
『私…、最初はスケートをならうのが嫌だったんです。
お姉ちゃんと比べられるのが嫌だったから…。
でも、お姉ちゃんが滑るのを間近で見れるのは大好きだったし、滑ること自体は好きだったので続けてました。』
うつむきながら話していたが、ふいに先輩を見ると、優しい表情で私の目を見て聞いてくれている。
こういう雰囲気、安心するんだよな…。
『普通は、スケーターとしての夢をもつと思うんですが、私の場合は振り付けだったんです。
変わってますよね。』
少しはにかみながら笑う。
「いや……、夢に普通もなにもない。
むしろ、そんな頃からちゃんとした夢を見つけられたのは、逆に自信持っていいんじゃないのか?」
優しい笑顔を見せて、そんな素敵な言葉を言うなんて、卑怯だ。
女の子なら誰だって顔を赤くするか、倒れてしまう。
私は、倒れはしなかったけど、真っ赤になっていた。
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