氷の上のプリンセス

特に、すごく勉強したというわけではないけれど、この学校に入るために少なからず頑張ったと思う。


普通科を受けたけれど、特進クラスになったのは予想外だった。


入学式が始まり、真新しい制服を着た同級生が、初々しく見える。


って、私もその中の一部だけれど。


頭の中に入っているようで全然入っていない校長や主賓の方々のお話が続き、式が終わる頃には、同じ姿勢で座っていたせいもあり、ぐったりだった。



「なんか、ぐったりだったね。
入学式。」


教室へ向かう途中、可愛らしい声の女の子と目が合い、不意に話しかけられた。


やっぱり、同じこと考えてる人いたんだぁ〜。


『うん。初っ端から疲れちゃったよ。』


「ところで、同じ特Aクラスの子でしょう?
見たことないよね?
外部から入って特Aなんて、かなりすごいんじゃない!?」


『全然すごくなんてないよ。
結構頑張って入ったし。』


ここは無難に、応えておく。


幼稚園から大学まであるこの学校は、エスカレーター式で、外部から入学するのは難しいらしい。

自分では、そんなに難しくなかったけど、それを言ったら、周りにイヤミな奴と思われてしまうだろうから言わない。




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