氷の上のプリンセス

「…あの子、結城先輩と知り合いみたいだよ。」

「…誰よ、あの子。結城先輩の何?」



周りの女子軍団から、そんな声がもれてきた。



うゎぁ…。


やだなぁ、この空気…。

気まずい雰囲気の中、受付の人が、話を続けてきた。


「結城君から届けは預かってるけど、とりあえずは、あなたもみんなと同じように、基本的なことテストさせてもらうからね。」


『えっ!?テストですか?』


「ええ。受付終わったら、すぐに入部のテストがあるから、もう少し待っててね。」


テストって何するんだろ……?


「あっ、そういえば学科とクラスと名前聞いてなかったわね。」


『はい、普通科特進Aクラスの有坂実梨です。』


「えっ!?特進Aって……。あなた、特進Aクラスなの!?」


かなり驚いているらしく、若干声が裏がえってしまったことは流してあげよう。


ただ、再びやってきた周囲の静けさは、流しきれない。


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