氷の上のプリンセス

『はい。
あっ、でも特進Aクラスに入ったのはたまたまで…。』


「たまたまで入れるとこじゃないと思うけど…。
部活なんてやってる暇ないんじゃない?

まあ、とりあえずやるだけやってみてよ。」


なんだか、大らか(おおざっぱ!?)な人で良かった〜。


もっとつっこまれたらどうしようかと思ったけど。


周囲はまだ、私のことを見ながらコソコソと話をしているけど。


時々聞こえてくる言葉に“結城先輩”“特A”が入っているのがわかる。

女子の注目の訳は、その二つのキーワードだけで、考えなくても知ることができた。


きっと、結城先輩を目当てに入部希望している子が多いんだろう。


それに、特進Aクラスっていうのに反応したのは、きなこと同じ理由だと思う。





とりあえず私は、
受付の人の言う通り、テストやらが始まるまで、周りからバリアを張られているような気まずい雰囲気の中仕方なく、
携帯をいじりながら待っていた。




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