氷の上のプリンセス
寮の建物は、12棟あり、2棟づつ平行に並んでいた。
職員の人に案内された私の部屋は、その中でも一番端の棟の、一番端の部屋。
11階まであり、せっかくエレベーターまであるというのに、そのハイテク技術を必要としない、1階の部屋に案内された。
『荷物、車に残ってない?』
『1人部屋寂しいんじゃない?
2人部屋とかなかったの?』
『1階なんて、防犯上良くないんじゃない?』
職員の人に、私の寮の部屋に案内され、荷物を運んでる最中、心配症のお母さんは、さっきから私にこうして、話かけてくる。
そのたびに私は、
『大丈夫だから。』
と、苦笑いで応える。
いつものことだから、慣れたもんだけど。
でも、こんなに心配されるのも、今日からしばらくないと思うと、嬉しいような、寂しいような複雑な気分。
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