氷の上のプリンセス
私は、小さい頃から、選手として滑るよりも、プログラム編成や振り付けを考えて滑る方が好きだった。
だから、小4の頃にはスケート教室を辞めて、お姉ちゃんの後をくっついているだけになっていた。
でも、お姉ちゃんが滑る姿を見るのは大好きで、時々、お姉ちゃんとふざけ半分で、あーだこーだ言いながら振り付けを考えるのは、私の一番の楽しみでもあったから、スケートから離れることはなかった。
そんな時、お姉ちゃんが高3全日本選手権大会で優勝した時、エキシビジョンで私の考えた振り付けを滑ってくれた。
それを見たコーチが、すごく驚いて、私にお姉ちゃんの振り付けをやってみてほしいと言ってきた。
一度試しに頑張ってつくってみたら、見事採用。
コーチ曰わく、オリジナリティはもちろんお姉ちゃん自身が滑りやすい内容で、選手の事を考えてつくっているとのこと。
スケートであまり褒められたことがなかった私は、すごくうれしかった。
多分、その時に私の夢が定まったんだと思う。
フィギュアスケートの振り付け師になりたいって……。
.