氷の上のプリンセス
「なんでもいいけど、お前の騒いでる声聞いてたら、やる気うせた。
俺は帰るから、真、照明消して戸締まりしてこい。」
なんでもいいんだ…。
少し……、いや、だいぶ悲しいかも…。
なんで…かな…?
「結城先輩ぃ〜、ひどいですよぉ」
「うるさい。」
甘えた声で嘆いていた真君に、冷たく言い放った結城先輩。
なんか、慣れた言い合い。
前から知り合いなのかな?
「実莉、ちょっと待ってて。
すぐ、やってくるから。」
『あっ、うん……って、なんで……!?』
最後まで言う間も無く、真君は、リンクの中に走って行ってしまった。
はぁ。
「……待つのか?」
結城先輩の低くて心地よい声がした。
.