氷の上のプリンセス

『出来れば待ちたくないです。
このまま、帰っちゃっても良いですよね?』


「これからどこか行くって言ってたんじゃないのか?」


『違いますよ。
真君が勝手に…。』


「そうなのか?


実莉……、真と仲良さそうだけど、知り合いなのか?」


先輩は、急に真剣な表情で私を見つめてきた。


切れ長のきれいな二重に少し隠れた澄んだ黒目がが、
まっすぐ私をとらえる。


ドキッ


何これ…。


先輩に見つめられると、心臓が、ものすごいリズムで鳴ってる!?


私は、結城先輩の目をそらしてしまう。


絶対、耳まで赤くなってるよ〜!


『あの……、
真君とは、知り合いというか、昨日会ったばっかりだし、今日初めて話したぐらいの仲です…。

先輩こそ、真君と前から知り合いなんですか?



「ああ、同じスケート教室に通ってたからなぁ。スケートに関しては、あっちの方が先輩なんだけどな。」


『えっ?そうなんですか?』


「真の方が1年だけ早い。」



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