氷の上のプリンセス
「どうかしたのか?」
優しい先輩の声に気づき、我にかえる。
『いえ、なんでもないです…。
自業自得で自爆しただけですから。』
私は、力無くつぶやき、先輩を見つめ返した。
「なんでもないような顔には見えないけど…。
あんまり、考えすぎんなよ!
じゃ、おやすみ!」
そう言って、先輩は頭を撫でて帰って行った。
再び、私の心臓は早くなる。
落ち込んでいたのなんて忘れて。
心臓の拍動で、体が揺れそうなぐらい。
『おやすみなさいっ!』
先輩は、大声で叫んだ私に足を止めて振り返ってくれなかったが、手を上げて返してくれた。
結城先輩の後ろ姿を見つめて思う。
きっと、そう。
私、先輩と一緒にいたいし触れてほしい。
なぜ?
それは、分かってる。
私、結城先輩のことが、
好きなんだ……。
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