氷の上のプリンセス

先輩と一緒に歩く校舎は、いつもと違って見えた。


って言っても、まだ一週間しか学校来てないけど。



そして、生徒指導室前。


嬉しくて、楽しくてあっという間。


先輩に礼を言って別れ、ドアを叩く。


コンコン!


「はーいどうぞ!」


中から、女性の声が聞こえた。


『失礼します。有坂です。掲示板見て来ました。』


「ああ、待ってたわよ!中入って!」


中にいた女性は、ロング黒髪だけど、ふんわりウェーブで大人のかわいい感じの人だった。


生徒指導室にいる先生なんて、年配の男性教師だと思ったら、拍子抜けしてしまった。


歳は……、
若く見えるけど意外に40代近いかも。


「あっ、今、私の歳予想したでしょう?」


この人エスパーだ!!


『いえ…、年配のおじさんみたいな先生想像してて…。
こんな綺麗な先生だと思わなくてびっくりしてました。』


とりあえず、うまく返してみる。


嘘は言ってない。


我ながら、とっさのフォローに感心した。


「あら、いい子ね♪
とりあえず、こっちに座って!」


上機嫌になったとわかるぐらいの笑顔で、グループワーク出来るぐらいの大きな机の手前側の椅子に手をかけた。


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