氷の上のプリンセス

女性は、英語教師らしくて去年から生徒指導を担当していると御説明があった。


名前は、長澤由紀子。


「ゆきちゃんって呼んでね♪」


性格は、歳がいもなく……、
いや、若々しくお茶目。


対面ではなく、斜めに座っている私たち。


「有坂さん。
あなたを呼んだのはね、部活動をやめてもらいたいからなの。」


『えっ!?何でですか!?』


「入学してからすぐにやった学力テストの結果見たでしょ。
有坂さん、満点でトップだったわね。

ここ数年、というより、私がこの学校に赴任して以来、満点とったのはあなただけなの。

それが理由よ。

あれ、最初教師が生徒にプレッシャー与えるために、相当難しくしてるのよ。」


なんとなく、理由はわかった。


『部活動することで、学力が落ちるのが心配って言いたいんですか?』


「理解が早くて助かるわ。
さすが、優秀な生徒だわ♪」


ニコッと微笑むゆきちゃん先生。


「あなたみたいな優秀な生徒を、わざわざ学力を落としかねない環境にしたくないのよ。
私たちとしては。」


『私はっ!!

…フィギュアスケート部に入れなければ、私がこの学校に入学した意味がありません。』


ゆきちゃんとはいえ、先生の前では、冷静を装う。



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