氷の上のプリンセス
魅惑
――直人side――
初めてあいつを見た時から、
自分がおかしかった。
怪しいやつかと思って、振り返ったあいつを見て、
息が止まるかと思った。
知的でキレイな顔なのに、
話すと素直で子供っぽい。
もっと、知りたいと思った。
もっと、触れたいと思った。
もっと、…一緒にいたいと思った。
今まで、女にこんなこと思ったことがなかった。
だから、正直戸惑った。
今まで知らなかった自分に。
有坂実莉というやつは、あうたびに他の男に絡まれている。
後輩の真と一緒にいた実莉を見て、イライラした。
触るな…なんて言える立場じゃないことは承知している。
他の男が、あいつと一緒にいるのも、触れるのもなぜか嫌だった。
だから、訳の分からないイライラを隠して、自分を冷静に保つのが精一杯だった。
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