氷の上のプリンセス
よりによって、
ショウなんかに気づかされた。
「でも、気づかない方が良かったかもな。
お前、女つくると演技に支障がでるからつくらないって言ってただろ?」
「ああ。
別に、好きなやつができたところで何も変わらないよ。」
「そこがクール過ぎるんだよなぁ…、お前は。
まぁ俺としては、
女に夢中になって、お前のスケートがガタガタになる姿も見てみたいんだけど♪」
「悪趣味だな。」
そう言った俺の体に、
少し肌寒い南風が吹きつけた。
そう、俺は何も変わらない。
世界でトップになるためには、
女なんかに気をとられていられねぇ。
俺の顔が、一気に冷たい表情になるのを見て、
ショウが、少し悲しそうな顔をしていたのには、全く気づかなかった。
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