氷の上のプリンセス

「結構、ジュースだから荷物重たいのよ。
そうねぇ…、
真君、早くあがれるみたいだし、一緒についてってもらったら?」


浜崎先輩が、有り難迷惑に薦めてくるので、
断りにくくなってしまった。


「そうだよ!
こんな薄暗い時間に、実莉ちゃんみたいな美少女が外出たりしたら、エロい男に捕まるぜ。」


真剣身のない様子でヘラヘラと言う真君。


私の知ってる中で、一番エロそうな男の人が、目の前にいる気がするんだけど…。


結局、なんだかんだで言いくるめられ、真君と買い出しに行くことになってしまった。


行きがけに、浜崎先輩から部費のお金を預かり、スケートリンク内から出て扉を閉めると、真君が腕を組んできた。


『動きにくいから、離して。』


「またまた、恥ずかしがっちゃってかぁわいぃ♪」


『恥ずかしがってなんかないよ。
本当に離してよ。』

「じゃあ、今度一緒に遊んでくれたら離すよ♪」


あっ、絶対からかわれてる。


やだな………。





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