氷の上のプリンセス
「じゃあ、よろしくな。」
結城先輩は、あっさりと元きたとおりへもどろうとする。
まただ。
一線をおいたような態度に、ズキズキと胸が痛む。
助けてくれたんじゃなかったんだ…。
普通に話しかけてくれたんじゃなかったんだ…。
『結城先輩っ!』
たまらず呼んでしまった。
すると、先輩は振り返らずに
「この間言っただろ。自分でどうにかしろ。」
普通は、冷たい言葉に感じるかもしれない。
でも、私にはそれほど冷たい言葉じゃなかった。
それは、大人が子供に新しいことをさせる時、無理に手を出さず、頑張れって言ってるような言い方だった。
今まで、避けられたように話も出来なかったかもしれない。
嬉しかったのは嘘じゃない。
もっとそばにいて別の言葉をほしい気持ちが交錯してる。
こんなこと思うのは、贅沢なのかな…。
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