うちゅうじん。[隊長………もんじゃのだし]
「これまでかっ……」
速水ロコモコは拳を握り締め、奥歯を噛み締めた。
まさしく、スパオオに対しての反撃を、あと少しで開始しようとした、矢先のところであった。
鹿児島 宮崎のミツバチ達(援軍に来ていた者を含む)は、たったひと月で孤立することになったのである。
「この僕についてきた民を、無駄に死なせることは出来ない!ヤンクミさんのように、スパオオ達の下で復活の時を待とう!生きていれば、チャンスは生まれてくれるはずだ。」
速水からの伝令は、その日のうちに阿蘇のふもとにまで、到達した。
最後までスパオオに抵抗していたミツバチ達は大きな落胆を隠せなかった。
しかし、「生きていれば、チャンスは生まれてくれる。」という、速水からの言葉は、同時に小さな希望をミツバチ達に与えていた。
奇しくも、伝説のミツバチ『ヤンクミ』と、同じ運命を辿ることになった『速水ロコモコ』
彼の生のある間に、それは叶わないのだが、いずれ彼の血をひくもの達は、大きな仕事を成し遂げてくれるのである。