うちゅうじん。[隊長………もんじゃのだし]
しかし、そんな達也の思いをよそに、北九州は戦争の真っ只中であった。
大分との県境で起こった小さな争いをきっかけに、血気盛んな若いスパオオが一気に攻めて出たのである。
山口からの伝令は、地域の責任者に会うことも出来ずに、その戦禍に飲まれてしまったのだった。
北九州陥落。
ものの2時間ほどのことであった。
翌日には、北九州全域がスパオオの支配下に陥っていた。
その頃、達也の部下が大分の南側にいた。
北部だ。戦闘が起こったのは、北部だ! 付近一帯の情報だと、昨日と今日で北九州全域が陥落したようだ!
この勢いで、山口に攻めてくるかもしれない!
早く戻って、達也さんに知らせなければならないぞ!
偵察隊が、情報を集めている間に、すでに一部のスパオオは次の計画を密かに練っていたのである。
偵察隊が、それに気づいたのは、このあと数時間ほどのことであった。