うちゅうじん。[隊長………もんじゃのだし]
「あ……」
「まずいですね、隊長。」
やはり、簡単ではなかったらしい。
見張りのスパオオに発見されていたらしい。
気付くと、目の前にスパオオの群れが立ちはだかっていた。
あ、立ちはだかってって言ったって、別に二本足で立っているわけではないので、悪しからず。
「まずいですね、隊長。どうします?」
「話してみるか?」
「たぶん、無駄ですね。」
「やってみなきゃあ、わからんだろ?オーイ!スパオオさーん!俺、隊長っていいますけど~…………!?げっ!向かってきやがった!」
当たり前である。
昨日、鳥取でわざわざ「隊長」と名乗った上で、ジェネシスにケンカを売ったのは、紛れも無く隊長本人なのだから。
「ちっ、スパオオってバカじゃないらしいな!パシり隊!俺に続け!」
見たところ、普通のスパオオと変わらない見張り部隊に、隊長とパシり隊は正面から突っ込んでゆく。
相手が何匹いようと、並みの昆虫とは桁外れのスタミナと機動力で、スパオオを落としてゆく。
スパオオの見張り部隊をあらかたかたずけた頃、山道の奥からちょっと雰囲気の違ったスパオオが現れた。
「貴様が隊長かっ!ジェネシスは怒っている!同胞である、我等近衛兵が相手をしてやる!」
明らかに、今までのスパオオとは格の違ったスパオオの登場である。