うちゅうじん。[隊長………もんじゃのだし]
そのスパオオ達は少数ながら、先ほどのスパオオとは明らかに違っていた。
体格こそ違わないがスピード、パワー、機動力とも、個体における戦闘力はパシり隊とは、差がないように思えた。
しっかり訓練した部隊のようだ。
「うーん……これは予想外だったな……。でも、突破するしかないらしいな。」
パシり隊の俊敏な動きに、しっかり合わせてくるスパオオ近衛兵!
一撃とはいかず、戸惑いを感じるパシり隊の面々。
「よし!これだっ!」
隊長は、パシり1号が動きを止めている近衛兵の下から、アンパンチを決めた。
これが実に良かった。
スパオオ近衛兵は、自分達より強い生物(人間などを除く)と対峙した経験が少ないらしい。
目の前のパシり隊に集中することで、周りがわかっていなかった。
サッカー選手としては致命的な欠点である。
いや、格闘家ならともかく、ケンカには通用しない。
加えて、パシり隊は日常生活の中で、人間や様々な生き物と格闘しているのだ。
ほぼ不死身と言っていい「うちゅうじん。」の面々だが、死ぬのは嫌なのである。
効果的な攻撃方法がわかって、近衛兵は次々と落ちてゆく。
「このヤロー!ただじゃすまないぞぉっ!」
数匹のスパオオ近衛兵は、最後に捨て台詞を残し、山道を戻ってゆく。
「しめた!これ、チャンスじゃね!?」
パシり4号がスパオオのあとを追う。
隊長とパシり隊もそれに続いた。