うちゅうじん。[隊長………もんじゃのだし]
目の前で起こったことが信じられないというような、ジェネシスの表情。
虫の世界では敵無しのスパオオ。
その中でも、最強と言ってもいいジェイソンを倒すとは………
それを察知したのか、追い討ちをかけるような隊長の台詞。
「お前達さぁ………こうしてミツバチ達を奴隷にして、他の昆虫や動物や人間にだって危害を加えてきたんだよね。
側近を倒されたお前の気持ちは、わからないわけじゃない。
だから話をしよう。
日本の昆虫と君達の将来にとって、みんなが良い方向に行けるように。」
ちょうどその時、ヨタヨタになったパシり隊が部屋に入ってきた。
「隊長~!こっちはなんとかかたずきました~!」
「お、そうか!ご苦労様。じゃ、そこで休んでいてくれ。」
隊長達の会話を、黙って聞いていたジェネシスが口を開いた。
「わかった。話をしよう。
どうやら君達は、僕の太刀打ちできる相手ではないようだ。
で、僕はどうすれば………」
「うん。わかってくれたか。よかった。君を倒すことも考えたのだが、君達にもリーダーが必要だろう。
とりあえず、表に出ようか。ここでは話ずらいだろ?」
ジェネシスを連れ出して外の空気を吸い込んだ。
「気分も少し落ち着いたところで話を始めるけど、お前達の生きる意味って何だ?」
「正直、子孫繁栄と領地拡大。それしかなかった。ミツバチ達の抵抗があるまでは。」
「そうだよね、君達は虫の世界じゃ敵なしだもんね。」
「そうだ。しかし僕の知るかぎり、1年前くらいからミツバチ達にやられ始め、僕等が生まれた頃はミツバチ達の方が押していた。
他の虫達は変わらないのに、ミツバチ達は僕等を研究していたみたいだった。」
「ほお~君は賢いな~。南紀白浜のミツバチがそんなこと言ってたよ。」