うちゅうじん。[隊長………もんじゃのだし]
隊長のジェネシスへの質問は、今回の問題の核心へ迫っている。
「ミツバチのローヤルゼリーが必要な理由は?」
「ええ、それなんですが、僕等の世代ではスパオオとして生まれているので、精力剤というか活力剤というのか。
そういうものになっています。
生きていくために、本当に必要なものというわけではなくなっているんです。」
「ほお~。
じゃ、出来るじゃないか!
虫達の中で生活が!
そりゃあ、最初はいろいろ問題もあるだろうが、他の虫達に危害がなければ大丈夫だよ。
いずれみんなもわかってくれるさ。」
「僕等に出来るでしょうか?
随分、わがままな生き方をしてきたのに!」
「出来る。
手始めに、奴隷だったミツバチ達を解放してくれ。
そして君は南紀白浜に行って、ミツバチ連合と和解するんだ。
特別、君達の権利を奪うわけじゃない。
何も心配はいらない。」
「少しその気になってきました。まず、僕等のしなければならない、ミツバチ達の解放を各地方に指示します。その完了を確認した上で、南紀白浜へ向かわせていただきます。
出来れば、隊長さんにも一緒に立ち会っていただきたいのですが………」
「うん、それがいい。
ちゃんと奴隷のミツバチ達を解放するのを、俺が確認して南紀白浜に報告する方が、信頼性もあるだろう。
その間に、パシり隊には南紀白浜に戻って、今回の和解の件についての説明と説得をしてもらうとしよう。」
こうして、ミツバチとスパオオの長きにわたった争いは、終止符を打つべく動き始めたのである。