うちゅうじん。[隊長………もんじゃのだし]
「♪え~すっえ~すっえ~すぅ~っえぇ~すぅ~をねらぁえ~~♪」
学校帰りの少女が一番の歌詞を歌いきって満足げな表情を浮かべる後方で、黒い固まり(に見える)がいくつか現れた。
それはあっという間に一つの大きな固まりになってゆく。
次第に内陸部に移動するそれに、四方から小さな固まりが加わってゆく。
その光景を間近で目撃した、トノサマバッタの佐藤さんの談話。
「そりゃあ~怖かったね~。蜂の羽音がいつもより凄いなって思ったらさー、あっという間にあんなことになって…。もう、逃げる隙もなかったね。そのうちにミツバチの死体やら、見たこともない大きなスズメバチが落ちてくるし!その上、落ちたスズメバチにミツバチ達が折り重なってゆくんだからね。まるで地獄絵図のようだったよ……。ミツバチ達のそんな姿は、生まれて初めてだね…。」