【完】絶対引力
「じゃあ、いっぱい会えるねっ。」
嬉しくなって繋いだ手をぶらぶらさせる。
東京のどこに住むのか分からないけど、今よりも会える機会が増えるのは事実で。
「あんま、可愛いこと言うと襲うよ?」
「なっ…!や、やめてよっ。バカっ。」
こんな場所でそんな台詞を吐かないで欲しい。
それに、何が可愛いのかわかんない。
「焦りすぎ。」
そう笑う伊織。
ふと前を見ると向こうの島に辿りついた涼と優。
あ…。
「伊織が東京来たら、優こっちで1人だね…。」
涼も東京の大学だし、伊織も来たら優1人…。
それは悲しいな…。
「え?何言ってんの?」
「何って…。だから、優はこっちにすんでるじゃん…。」