【完】絶対引力
「うーん…ゆっくり歩いて港まで行けばいいんじゃない?」
っていっても歩いてすぐなんだけど…。
「まぁそれでいっか!」
なんてことになったけど、やっぱり早く着いて結局港でずっと話してた。
そして、フェリーに乗って土庄町に向かった。
「綺麗だね…。」
「うん、東京じゃ絶対に見れない…。」
「来て良かった…。」
海を見ながらそんなことを話す。
私の実家は東京だし、おばあちゃんちも東北の方だからこっちに来る機会もない。
だから、ここに来れて、涼に会えて、本当に良かった。
「そういえばさ、小夜はこっちに5日間いるんでしょ?泊まるホテル決まったの?」
視線は海のままそう聞かれる。
「決めてない…。成り行きで頑張ろうかな、みたいな…。」
ははは、と苦笑。
そういえば決めてない。
こっちに来て、適当に泊まろうっていう甘い考えだった…。