【完】絶対引力
今、会いに行く
―――…。
「よいしょっと…。」
荷物を降ろし、顔を上げて辺りを見回す。
来た…。
伊織のいる場所…。
ここに伊織がいる。
伊織がいるんだ…。
そう思うと勝手に顔が緩んだ。
「顔に出てる。」
ふっと笑って言われる。
「ここにいると思うだけで、凄い嬉しいの…。」
大きく広がる空。
雲1つない。
空を見ても思うのは伊織のこと。
ここに来て、一層想いは深まった。
「そっか…。じゃ、あたしんち行って荷物置いたら挨拶周り付き合ってよ!ついでに情報収集しよーっ。」
ん~っ、と背伸びをする。
私もつられて背伸び。
会えるといいな…。